僕が出逢った十人十色

火災で全焼した清心温泉を再建させる復興エンターテイメントに挑戦する地域の人たち Vol.2 全焼した温泉をパワースポットにしたい

対談企画「僕が出逢った十人十色」特集号として、岡山から奇跡の復興を目指す「清心温泉」について、その復興プロジェクトの発起人の小林さんに話を伺いました。

小林 侑生
1988年生まれ。岡山県出身。大学時代に広島で過ごし、地元民が地元のことを誇っている様子に憧れを抱く。大学卒業後、岡山配属で岡山に戻り、うらじゃを始め、岡山でも熱狂的なコミュニティがある一方で、あまり知られていないことに気づく。次第にコミュニティ同士の架け橋になるような活動を行いたいと思うようになり、現在は清心温泉復興基金で復興プロジェクトを成功させるべく毎日全力で活動している。

それぞれが未来が描ける場所にしたい

小林 侑生 そして、すぐ番頭さんに電話をして「会えませんか?今どこにいますか?」って言って、番頭さんが玉島にいたので、「じゃあ玉島まで行きます」って会いに行きました。そこでクラウドファンディングを紹介して、こんなことをしてみたいんですって言ったら、「やってみましょう」ってなりました。本当に復興したいと思い、いてもたってもいられなくなったので、いろいろやらせてくださいという話をしました。

ケンフィー 今回はただの復興じゃなくて、復興後にシェアキッチンを作ったりとかいろいろと考えられているんですよね。

小林 侑生 最初は復興目的にやろうと思っていたんですけど、僕みたいに清心温泉に興味を持つきっかけがなかったら支援してくれないだろうと思って、あと僕はコミュニティに対して価値を高めていくことがやりたかったので、清心温泉基金の皆さんと話し合い、今まであったコミュニティのカタチに何か付加価値をつけて提供できれば、今までの常連客はもちろん喜びますし、さらに新しい人たちもコミュニティに加わる機会も生まれるのではということから、コミュニティスペースがいいのでは、という話になりました。

ケンフィー コミュニティスペースに関して、何かアイデアはありますか?

小林 侑生 特に決めていなくて。やりたいことができる場であればなんでもいいなって思っています。6,7畳しかないので、備前焼を見てほしい人がいれば展覧会をしてもいいだろうし、その場所にいけば何かしら自分の夢に向かってチャレンジしている人がいるという感じにしていきたいですね。

ケンフィー 未来というか希望の場所ですね。

小林 侑生 それこそ清心温泉は全焼して建物ごとなくなってしまって、圧倒的不幸じゃないですか。それが復活しただけでも、すごいことなのに、さらに(各々の)未来が描ける場所になれば、パワースポットになると思うんですよね。

ケンフィー 本当にそうなれば、すごいですね。番頭さんや常連客からある程度資金が集まって、復興させたいという想いはあるけれど、あと3分の1集まらなかったら廃業になるというのは酷な状況だと思います。でも、その逆境から成功した事例を身近に感じられたら、それだけでも多くの人が希望を持てるんじゃないかなって思いますね。

小林 侑生 挑戦的な試みなんですけど、逆境を乗り越えたパワースポットになってしまえば、今まで清心温泉に興味がなかった人でも、興味を持って来てくれて、新たな出逢いがあるかもしれないし、(清心温泉が)そういうコミュニティの場所になったらいいなぁっていう、僕らが思い描いているワクワクした未来というのが、コミュニティスペースです。

火災で全焼した清心温泉を再建させる復興エンターテイメントに挑戦する地域の人たち