僕が出逢った十人十色

本当の働き方改革は時間じゃない Vol.3 経済的な豊かさより心の豊かさ

対談企画「僕が出逢った十人十色」第6弾は、当対談企画で二度話を伺った井口陽平さんと、今話題の「働き方改革」についていろいろなお話をしました。井口さんが思う本当の働き方改革とは?!

井口陽平
1991年生まれ。大阪府出身。大学時代に学生イベント企画団体「とり.OUS」を創設し、総合プロデューサーとして数々のイベントを企画・運営する。大学を卒業してからもNPO法人「若者応援コミュニティ とりのす」代表理事として、若者の応援や意識改革など、多彩な課題に取り組んでいる。

日本はもう経済発展しない

井口陽平 全部の政策とか見てて思うんだけど、経済的発展はもう日本では望めないんだから、心の豊かさみたいなところにもっと焦点を当てた方がいいと思う。

ケンフィー 数年前の選挙公約で、安倍首相が「1970年代の日本人には(経済発展)できたから、今の私たちにできないはずがない」みたいなことをおっしゃてたと思うんですけど、状況が全然違うのに言い切れないんじゃないかなって思いましたね。

井口陽平 安倍首相も、今はそんなこと言わないと思うけどね。まぁ日本の首相がそういうこと言わないと動かない日本人というか、首相が「経済的発展は今後見込めませんね」って思っていても、そう言えないやろうし、有権者は背景まで含めて判断しないといけないよね。あと、この間自動車の話題で「若い子は車なんて欲しくないですよ」って話が出たんだけど、これからトヨタに就職したから安泰かどうか分からないし、どんどん電気自動車とか自動運転とかになっていって、これからは変化していける企業が伸びていく。日本の技術力を売りにしたところでだめですよ。

ケンフィー 日本って技術力は高いけど、法規制とかが厳しくて、結局他国が先に実用化されるってのが多いみたいですね。ワイヤレス給電の分野でも、電波法の規制に悩まされているという話を聞いたことがあります。

井口陽平 技術があってもできない現実というね、もったいないことが起こっているわけですよ。その分野もそうだし、いろんな分野もそうだけど、困っているとか、できるよっていうのを若い世代が発信していかないといけないなって思う。twitterでいろいろ言ってる人が多くて、それもいいんだけど、リアルの方でもちゃんと発信していかないとって思いますね。今のネット社会は、便利だし発展して来ているけれど、昔村社会だった日本人の気質からすると、ネットの中に閉じこもりがちになって、それだけで完結してしまうという未来がなんとなく怖いなって。あと今、政治家がネットの方に入って来たりしてるよね。

ケンフィー あとは Abema TV で「72時間ホンネテレビ」で、元SMAPの三人が出演していて、これからネットが変わっていくんだろうなぁって感じました。

井口陽平 まぁネットはツールですからね。ネットが目的になってはいけないわけですよ。ただ、今、大人がネットに媚び始めているのはどうかなって。媚び始めた段階では、もう若い人はそこにいないんだから。何に媚びるとかじゃなくて、何をするかの方が大事なんよ。

新しいタネに気づく感性

ケンフィー 今、 YouTuber も大人の中で認められつつあって、HIKAKINさんがテレビに頻繁に出演するようになりましたよね。

井口陽平 それはすごい良いことだね。でも今さら見ていただいてもって感じで、そういうのってYouTube だけでなく、いろんなところで起こっていて、若い子の中でこういうのが流行っているから、俺らもやらないといけないんじゃないかって議論が始まるんだけど、議論が終わっていざやろうとすると、若い子はもうそんなことやっていないわけで。これがどんどん加速していくんじゃないかなって、ここ30年は特にそうなると思う。んで30年後は今の若い子が年取って大人になっているから、その時はまた違う日本になっていて。今の若い世代が、働き盛りの20~50歳となるときが転換期になるだろうし。

ケンフィー どんどん好奇心を持って、新しいことに興味を持っていけば、今どんなことが流行っているかが感覚的にわかるようになっていくだろうし、そうなっていくと、だからこうしたらいいよねとか、これが次に望まれていくんじゃないかとか、っていうタネが見つかっていくんだろうなって。

井口陽平 発信する力は今の若い子はあるから、感じる力を是非磨いていただいてほしいね。もちろん30、40歳の大人も磨いていただいて。若い子だけが盛り上がってもいけないし、大人だけが盛り上がってもいけないから。

ケンフィー すでに僕も10代のことはわかっていないことも多いんですが、少しは10代が面白いってなっていうことが理解できるようになったなって思います。

井口陽平 怖いんですよ。我々もおじさんになっていくわけだから。

ケンフィー 今の10代はtwitterに投稿するよりも、24時間で消えるInstagramのストーリーに投稿する方が多いみたいなんですが、最近僕もハマり始めて、ストーリーの面白さがわかるようになってきました。

井口陽平 刻一刻と変わっていってるよね。こういう仕事していると、特に若い子とずっと付き合っていかないといけないし、そこは若いエキスを吸い取って生きておりますので笑。未だに高校生からは若いって言われるんですよ笑。気持ちがね。