僕が出逢った十人十色

全国を歩いて旅した鈴木 涼さんが伝えたい旅の魅力 Vol.2

歩いて旅をしてみて感じたこと

鈴木 涼
1993年生まれ。神奈川県出身。大学時代は同県横浜市に在住し、長期休暇を利用して「徒歩旅」に出かけ、 旅の楽しさに気付く。現在はバス事業に従事しながら、YouTubeやSNSを使って、全国の都道府県や市町村の魅力を発信し、 旅を始めるきっかけや旅の途中で役に立つ情報を発信している。

 りょーち(@InM9t)
 旅好きチャンネル

疲れよりも好奇心が勝っていた

ケンフィー じゃあ3日目とか疲れがたまって本当に辛かったんじゃないですか?

鈴木 涼 3日目は、静岡市(静岡県)から掛川市(静岡県)までの移動だったんですが、 ずっと1号線を真っ直ぐ行こうとしてたら歩行者が通れない道路に出てしまって、トンネルの管理者みたいな人に 「迂回しろ」って言われて、焼津市(静岡県)の方を迂回していきました。ただ、そっちの道が山道で、 その日大雨だったので、しんどかったのを覚えていますね。

ケンフィー 静岡市(静岡県)から焼津市・藤枝市(静岡県)の間って結構トンネル多いですよね。

鈴木 涼 掛川市(静岡県)まで山道なんですよ。2日間の疲れもあって、めっちゃぼろぼろでしたが、 疲れより、新鮮さの方が勝ってたと思いますね。自分が見たことのない景色を見たりして、旅としてはすごく楽しめたと思います。ある意味、その経験が「旅が楽しい」と思えたきっかけだったんですよね。

ケンフィー 自分の知らない風景が広がっているということが心の支えになって「徒歩旅」をやり遂げられたんですね。

鈴木 涼 そうですね。たぶんドMなんでしょうね。

ケンフィー いえいえ。僕もイベントを企画した時、終わったあとは結構疲れているんですが、 一緒に企画をやった人と過ごした1ヵ月間ずっと楽しかったなっていうふうに思い始めていて、また何か企画し始めてしまいます。 やっぱり何かしんどい経験があって、その先に何か新しいものや何か楽しいものがあると、そういった考えになるんだなっていうのは感じますね。

鈴木 涼 そうそう、そうだと思いますね、本当に。

ケンフィー あと、たぶん実際に自分の足で歩いたっていうのがすごく良いなと思っていて。 僕も知らないところに行く用事があるときには、よく公共交通機関を使わずに歩いていくみたいなことをやっているのですが、 歩いて行くと、その町の景観とか街の様子が分かるのでいいですよね。

鈴木 涼 いいですよね!

ケンフィー これは個人的な話になるのですが、静岡駅から真っ直ぐ進んでいたら、 横断歩道なくて全部地下道だったんですよ。毎回下りて上がっての繰り返しで、「住民の人はみんなそうしてるのかな?」と思っていたら、 1本外れた繁華街を通っていたんだと気づきました。それを気付けたのも、やっぱり自分の足で歩いたからこそからなのかなと思いますね。

鈴木 涼 そうやって歩くからこそ分かる景色もたくさんありますよね。 やっぱり歩いて回る旅の価値っていうのを多くの人に知ってもらいたいという想いがすごくあるんですよね。 歩いて旅するって、こんなに素晴らしいことだというのを知って欲しい。歩いて旅をすると、やっぱり疲れますけど、 でもその分、達成感もあるので、僕は歩いて旅行するというのはすごく楽しいことだと思いますね。

雨は「徒歩旅」の天敵

ケンフィー 今の話聞いてて、歩いて旅することの楽しさを伝えたいっていう部分で、鈴木さんは、 令和の伊能忠敬さんじゃないかなって思い始めてきました(笑)

鈴木 涼 いやぁ、そんなことないですよ(笑)でも車を買うと、歩いて旅をするなんて、 なんと非効率な旅をしてたんだっていうのは正直思いますね。特に歩いて旅すると、天気の影響をもろに受けるので、 それが一番きついです。その中でも雨とかは本当にしんどいです、、

ケンフィー 確かに。神奈川から大阪まで歩いた9日間も雨の時はあったんですよね?

鈴木 涼 雨の時もありました。3日目、静岡から掛川までの140km歩いた時は雨でしたね。 あと大学を卒業する前の集大成にしようと思って、仙台から長崎までも歩いたんですよ。

ケンフィー 仙台から長崎って、めちゃくちゃ歩きましたね、、

鈴木 涼 それが……55日間1900kmぐらい歩いたんですよ。さすがに2ヵ月近くかかりましたね。 2ヶ月となるとかなり雨も降ったんですよ。これ以外にも、たくさん歩いて旅した中で、もう雨には散々降られて、 そのたびに嫌だなぁと思いましたね。