僕が出逢った十人十色
島田で奇跡を起こした森田 秀平さんの57日間の物語 Vol.2
路上で人と話して気付かされたこと

森田 秀平
1995年静岡県島田市出身。大学進学で静岡県を離れるも、現在は静岡県にUターン就職し、同じく島田市出身の兵庫 勇樹さんが主催するスカイランタン祭りにスタッフとして参加する。
兵庫さんから島田スカイランタン祭りの主催を任され、2020年10月11日大井川緑地公園で100基分のスカイランタンを打ち上げるのに成功する。
絵本の出版やファイナンシャルプランナーなど多岐にわたる活動を展開している。
Instagramアカウント
全然売れなくて路上に立った
ケンフィー 9月3日から路上に立ったということですが、路上に立った経緯は何でしょうか?
森田 秀平 僕はTwitterもやってなくて、Facebookの友達も200人いないぐらいで、Instagramもフォロワー2桁なんですよ。
それでイベントページ立ち上げて、「島田スカイランタン祭りをやります」って言っても、やっぱり誰も来ないんですよ。
8月15日に購入ページを立ち上げたけど全然買ってくれてなくて、、。そもそも僕には影響力も拡散力もないので、
どうしようってなった時に、とある方から「路上とか出てみたら?」って言われて、路上で呼び掛けることにしましたね。
人に直接言って、来てもらった方が早いなと思い、「じゃあ路上で人に伝えよう」と路上に出ることにしました。
ケンフィー 初めて路上に立った時の印象とかって覚えてますか?
森田 秀平 まず「どうやって声を掛けよう?」って思いました。
(初めて路上に立ったのが)静岡駅ですけど、めっちゃ人がいて、どうやって声をかけていいか分からなかったんですよ。
とりあえず、分からな過ぎて、宗教の勧誘の人に声かけました(笑)。「それ、どんな感じでやっていくんですか?」みたいな感じで聞いたら、
「気にしちゃだめだよ」とアドバイスもらえて、とりあえず、まず人に声を掛けてみようと思いましたね。
ケンフィー なんて声を掛けたんですか?
森田 秀平 初めは「こんばんは、島田市でお祭りやるんですが、よかったら来てください」みたいな宣伝をしてました。
その時はまだ「ランタンを買ってください」みたいなことは言えなくて、ただお祭りの宣伝をしてましたね。
ケンフィー 最初の方はFacebookのイベントページには「2年前の感動をもう一度」みたいなキャッチフレーズが書かれていましたが、
ある日から「夢のためにやりたい」みたいなキャッチフレーズに変わったと思うんですけど、それはどういった経緯があったのでしょうか?
森田 秀平 ただ単に最初、僕は2年前の感動をもう一度再現したいと思って企画を勧めていたんですが、
路上に立ったりしているうちに、「なんでやるのかな?」と思うようになって、キャッチフレーズが変わりました。
今回、自分の親も含めて結構いろんな人を巻き込んでしまったんですよ。
「たくさんの人を巻きこんで、中途半端な思いでやるな。中途半端な気持ちでやるならやめろ」と父親に言われて、
何でやりたいんだろうって真剣に考えました。
ケンフィー それからどういう風に心境が変わったんですか?
森田 秀平 もちろん2年前の感動を再現したいと思いつつ、やっぱりこのスカイランタンイベントが、
これからもずっと島田市で続いて、みんなで空を見上げるという1つの文化を根付かせたいと思いましたね。
そして、みんなが前向きに生きていける、そんな町にしていきたいなっていう想いが芽生え始めました。
「僕はこれを島田市でやりたいんです」というのを人にしっかり自信を持って言えるようになった瞬間から、
今年はこれを繋ぐという決意を持つようになりました。このイベントを来年や再来年に繋ぐためにやるんだと、自分の中で変わりましたね。
ケンフィー いつ頃からそう思うようになったんですか?
森田 秀平 恐らく9月の下旬とかだと思います。最初は「島田市でお祭りやります」って言ってたのに、
途中から「夢のためにランタン売ってます」に変わったんです。
ケンフィー 路上に立っていろんな人に声を掛けてるうちに、想いが明確になったんですね。
森田 秀平 そうですね。初めの方は、イベントについてたくさん説明しても、
「なんでやるの?」「動機弱いね」「商売下手だな」とか言われて全然相手に響いていなかったんですよ。
そこから「なんでだろう?」って自分で考えて「じゃあ、こう言ってみよう」と試行錯誤する中で、
「これがやりたいんだ」って自信を持って言えるようになりましたね。
路上で嬉しかったこと
ケンフィー ちなみに路上で1番嬉しかったことってなんですか?
森田 秀平 テレビでも取り上げられた、北九州の社長さんが「静岡でたくさん稼がせてもらってお世話になったから」と言って、
その場で残りのランタンを購入してくれたエピソードや、島田駅で声を掛けたときに「買います」って言ってくれた人が、
当日来てランタンを買ってくれたことが嬉しかったですね。
ケンフィー それは嬉しいですね!
森田 秀平 「買います」って言ってくれたんですが、パスマーケットを見ても全然買ってくれていなかったんですよ。
都合が合わずに来れないかなと思っていたんですが、当日来て買ってくれてたんですよ。その時に「久しぶり」みたいな感じで再会できたときの感動は
今でも覚えています。だって何千人と僕のことを素通りする中で、僕の話を聞いてくれて、共感してくれて、
「買います」って言ってくれた人の顔を僕が忘れるわけないじゃないですか。別に区別とかではないですが、
他のお客さんとは違った繋がりがそこにはあって、それはすごい僕の中で感動しましたね。
ケンフィー 実際に島田の駅前で会った時はお客さんとかどんな感じだったんですか?
森田 秀平 静岡駅と比べて人が少なかったですね。静岡駅付近であれば3時間で500人の人に声をかけれるんですが、
島田駅で3時間声かけても70人しかいなかったんですよ。でも島田市民の人にとっては、僕の夢にすごく共感をしやすかったんだと思いますね。
ケンフィー 地元島田で開催しますからね。
森田 秀平 そういう意味では、島田駅付近で声を掛けて話を聞いてくれた人は、
「地元に頑張ってくれる子がいるんだ」な感じで嬉しそうでしたね。そういうのはすごい話しててわかりました。
島田で奇跡を起こした森田 秀平さんの57日間の物語