僕が出逢った十人十色

マイノリティが認められる社会へ Vol.1 気付くことなく普通に育ってきた

対談企画「僕が出逢った十人十色」第8弾は、様々な団体を運営されている西谷一哉さんと最近話題になってきたセクシュアルマイノリティについて対談しました。

西谷 一哉(写真左)
1983年生まれ。岡山県出身。株式会社風良里2代目代表取締役社長。現在は、NPO法人若者応援コミュニティとりのす事務局長、株式会社風良里取締役専務、NPO法人シェアラボ理事など様々な団体の運営に携わり、多くの人の支援を行っている。

それが普通だと思って生きてきた

ケンフィー セクシュアルマイノリティということに気付いたのはいつからですか?

西谷一哉 今、LGBTという言葉が流行っているけれど、それ以外にもたくさんの種類があるんだよね。その中でも、俺のマイノリティというのは少し特殊なんだけど、俺自身はいつからというか、「ずっとマイノリティ」なんよね。俺はいわゆる「パンセクシュアル」で、相手が男か女か関係なく、「人間」として見てる感じ。だから気づくこともなく、普通にそういう風に育ったかな。

ケンフィー 今まで小中高と進学していくなかで、マイノリティと思って生きてきたわけではないんですね。

西谷一哉 そうだね。それが普通だと思って生きてきたから。「男も女も関係なく、みんな同じ人間だから」って意識。俺みたいな「パンセクシュアル」の場合は、LGBTの中でも割と特殊なんよ。 一般的なLGBTの話をすると、「マイノリティ」という言葉があるけれど、「マイノリティ(少数派)」がいるということは「マジョリティ(多数派)」がいるということだよね。「マジョリティ」って何かっていったら、男の人だけが好きな女の人、女の人だけが好きな男の人っていうのが「マジョリティ」。そうじゃない人が「マイノリティ」になるわけだよね。「マイノリティ」の中には、生まれ持った性と自分自身の心の性別(性自認)が違う人もいる。 例えば、「心が男」、「心が女」だけでなく、「Xジェンダー」と呼ばれるような、男と女の中間で性自認を持っている人もいる。性別には、「体の性」があって、「心の性」があって、さらにどんな人を好きになるかの「性思考」もある。色々と複雑だね(笑)

ケンフィー 普通に過ごしてきて、初めて好きになった対象がたまたま女の人だったということですか?

西谷一哉 そうそう。そう思って欲しい。

ケンフィー それだけみたらマジョリティの方だけど、その後好きになった人が、、

西谷一哉 たまたま男の人だった。俺からすればそれだけのこと。

ケンフィー (セクシュアル)マジョリティと比べて、違和感に感じたことはありますか?

西谷一哉 まず、すでに人間的に変わってるからね、俺(笑)だから「セクシュアルマイノリティ」で困った、苦労したことはないかな。自分の考え方とかで理解してもらえなかったことはあったけど、セクシャルマイノリティでは苦労したことはない。でも、そういう中間的な「パンセクシャル」の立ち位置で、こういった「多彩なセクシュアルマイノリティ」の話はしてあげられるよね。