僕が出逢った十人十色

マイノリティが認められる社会へ Vol.2 存在を認めてあげることが一番の支え

対談企画「僕が出逢った十人十色」第8弾は、様々な団体を運営されている西谷一哉さんと最近話題になってきたセクシュアルマイノリティについて対談しました。

西谷 一哉(写真左)
1983年生まれ。岡山県出身。株式会社風良里2代目代表取締役社長。現在は、NPO法人若者応援コミュニティとりのす事務局長、株式会社風良里取締役専務、NPO法人シェアラボ理事など様々な団体の運営に携わり、多くの人の支援を行っている。

次第に理解が広がってほしい

ケンフィー セクシュアルマイノリティの人と出会うきっかけとなったのは何ですか?

西谷一哉 そういう人たちが集まる某(笑)繁華街があって、そこに初めて行った時に出会ったな。

ケンフィー 1回だけじゃなくて何回か行かれたんですか?

西谷一哉 そう何回か行った。それで、初めてやっぱりいるんだなって思った。それまではテレビとかしか見たことがなかったから、生で出会って「あ、やっぱりいるんだぁ」って思った。そこからかな、(セクシュアル)マイノリティの世界を知っていくのは。

ケンフィー 今までに(セクシュアルマイノリティの人と)何人ぐらいの人と出会いましたか?

西谷一哉 それは飲み屋さんとかだから、もう数え切れないほど出会ってきてるけど、300人以上は超えてると思う。想像以上にいっぱいいるんよ。でもそういった繁華街に出てきている人ですら、もっともっといる訳だから、例えば「普段は誰にも言わないけど、実はセクシュアルマイノリティだ」という人を含めれば、すごい数になると思うよ。

ケンフィー 以前セクシャリティに関する資料を見せてもらったんですが、体の性、心の性、思考だけじゃなくて、セクシュアルマイノリティへの理解の有無でも細分化されるんですよね。

西谷一哉 うん細分化される。セクシャルマイノリティに対して理解のあるストレートの人を「アライ」と呼んだりもする。ストレートさんの中にも、全く受け付けない人もいるし、まぁ受け付けないというか「そもそも知らない」人も多いと思うけど、俺も他の(セクシュアル)マイノリティと出会うまではこの世にいるとは思ってなかったからね(笑)だから大事なことは、今 LGBTの支援という流れに世の中がなっているから色々と政策は出てくるとは思うけど、俺はまず「そういう人たちもいるんだよ」って知ってもらうことが最初の理解なんじゃないかと思う。 例えば、カミングアウトしている(セクシュアル)マイノリティに出会った人たちが、「知ってる人で(セクシュアル)マイノリティの人いるよ」「私の周りにもいるよ」と言うことで、「あっ結構いるんだね」とだんだん理解が広がっていく。それが大事なんじゃないかなって。存在しないものとして扱われるのではなくて、ちゃんと「多数派のなかに少数派の人もいるよ」って。

ケンフィー (セクシュアル)マイノリティの人からしても周りからそう言われると安心しますね。

西谷一哉 俺は「カミングアウト」することが全てだと思わないけど、「自分が(セクシュアル)マイノリティだと言おうか」と迷っている人は俄然言いやすくなるよね。今、いろんな政策がいっぱい出てきているけれど、俺はまずそうやって「存在自体を知っている世の中」を目指すことが一番大切なんじゃないかと思う。反面、よく学校とかで「クラスに 2人は(セクシュアルマイノリティが)いる確率です」とか先生が言うんだけど、そうなると「全員言え!」みたいな感じになるし、うーんこのあたりは難しいね。