僕が出逢った十人十色

電気系を卒業して声優を目指す椎田智文の挑戦 Vol.5 声優への挑戦

対談企画「僕が出逢った十人十色」第1弾は、大学で電気系を専攻するも、就きたい仕事とのギャップに悩まされ、挫折を経験し、そこから立ち直って声優を志そうとしている椎田智文くんに話を伺いました。 Vol.5では、彼の声優への挑戦に関してのビジョンなどについて掲載。

椎田 智文
1992年生まれ。大学で電気系を専攻するも、2度の留年を経験し、一時は現実逃避に走る。 現在は、幼いころより好きだったアニメの声優を目指し、養成所に通い始め、夢に向かって挑戦しようとしている。

彼が描く20代のビジョンとは

ケンフィー(以下、僕) 20代のビジョンはどんな感じ?

椎田智文(以下、椎田) 今24で、最低2年間は養成所に通うことになってるから、2年間は通うつもり。

 その養成所は1か月いくらなん?

椎田 4万ぐらい

 国公立大の授業料と変わらんやん

椎田 他に比べて高いらしい。東京とかに行けば、2~3万でいけるところもあるんやけど。一応、他とは違って全員輩出するという話があったり、他のところでしないような話が聞けたりするから。

 他のところで聞けない話って?具体的には言えんと思うけど、簡単に教えて。

椎田 声優の演技を感覚でなくて、科学的に教えるというか、才能を科学的に研究した結果を用いて、こういうところに気を付けて演技していけば、技術が向上するという話とか......。あとは全員アニメに出演するための方法とか。

 1週間に1回のレッスンやけど、自分では練習したりするん?

椎田 うん。自分の家で。4月からは実家の自分の部屋で練習するつもり。

 親とかに迷惑にならんの?

椎田 親が母屋の1階にいて、自分の部屋が離れの2階やから、声は届かんと思う。

 椎田くんは、長男?

椎田 うん。

 じゃあ、その家を継ぐってこと?

椎田 それは未定で、もし声優になれた場合は東京しか仕事がないから、継げんと思うけど、なれんかったら地元で仕事見つけて、実家に住むことになると思う。その場合、仕事は見つかるか分からんけど、自分の学歴等で行けるところを見つけるしかない。

彼の人生をかけた挑戦

 なるほど。養成所ではどんな感じなん?

椎田 レッスン自体も和気あいあいとしてるし、自分でレッスンする時間が大半を占めて、その自己レッスンをどれだけするかが大切。

 自己レッスンとは?

椎田 教科書があって、そこに載っていることや滑舌などを鍛える練習をすること。

 例えばどんなことするん?

椎田 例えば変則五十音というのがあって、ア行でいうと、「あいうえお」といった後に「いうえおあ」「うえおあい」「えおあいう」「おあいうえ」という流れを一息で言う。口の形を意識しつつ、一息で行う。できるようになったら、カ行、サ行も全部続けて一息で言う練習もする。

 じゃあできる人ならどこまで行くん?

椎田 基本4行(タ行まで)はしないといけない。できる人はもっといくと思うけど、具体的にどこまでいくかは分からない。

 なるほど。具体的にはプロになるためにどう過ごしていきたい?

椎田 正直に言って具体的な目標が分からない。滑舌も演技力も感性の話やから、具体的にどこまでクリアしたら(プロになれる)っていう目標がない。

 実際にはどのレベルを目指してるん?

椎田 なれるんなら主役や準主役の声優になりたい。

 それになるために必要なことは把握してるん?

椎田 実力と運しだいやと思う。

 なれないっていうリスクもあるけど、もしなれんかったら諦めはつくん?

椎田 (なれんかったら)仕方ないなと思う。(声優は)早くから始めた方が良い職業やから、始めるのが遅かったとか、才能がなかったとかで、諦めはつくかもしれない。