僕が出逢った十人十色

電気系を卒業して声優を目指す椎田智文の挑戦 Vol.6 それで本当に良いの?

対談企画「僕が出逢った十人十色」第1弾は、大学で電気系を専攻するも、就きたい仕事とのギャップに悩まされ、挫折を経験し、そこから立ち直って声優を志そうとしている椎田智文くんに話を伺いました。 Vol.5でなれなかったら実家に戻ることについて掲載しましたが、最終章となるVol.6では、それで本当に良いのか、他にやれることはないのかなどについて対談しました。

椎田 智文
1992年生まれ。大学で電気系を専攻するも、2度の留年を経験し、一時は現実逃避に走る。 現在は、幼いころより好きだったアニメの声優を目指し、養成所に通い始め、夢に向かって挑戦しようとしている。

それで本当に良いの?

ケンフィー(以下、僕) (声優になれんかったら実家に戻るという話を聞いて)それで幸せなんかなって思ったんやけどどうなん?

椎田智文(以下、椎田) そうでもないと思うけど。

 今、できることも同時並行でやることを考えた方がいいのでは、と思って...。例えば、絵の上手な人や声優仲間を集めて、アニメを制作して、YouTubeにアップロードするとか。そうしたら、自分たちで作ってるアニメが、認められようが認められまいが、自分たちが楽しいやん。もしテレビアニメの声優になれんかっても、YouTubeでのアニメ制作で生計立てる道もあるだろうし。

椎田 それもアリやとは思うけど。あとYouTube自体になじみが薄いし。

 YouTubeって10代からしたら立派な放送局やと思うけど?

椎田 10代はそうかもしれんけど、俺の世代はそこまでやと思う。

 アニメを一番見てた時期っていつ?

椎田 大学の1回生のとき。

 10代やん。たぶんやけど、アニメを見る層で10代が多いと思う。

椎田 まぁ10代が一番多いとは思うけど

 その10代がYouTubeをよく見てるとしたら、YouTubeでアニメ制作を切り拓いていくんもありやと思う。

椎田 まぁそうやな。ただアニメを作ろうと思えば、絵があって音を調整するといった技術や動画制作技術の習得が必要になってくるし。

 本当にやりたいと思えば、それも習得できると思うよ。

椎田 まぁそうやな。それに、それで有名になれば、逆に声かけられるかもしれんしな。

 そうなんよ。だから同時並行でやればいいと思う。

椎田 確かにYouTubeも世界的に有名で人気で、10代に人気やし、将来人気になってくるから、そっちの方でも何かした方がいいとは思う。やれるならやった方がいいと思うけど、アイデアと技術が必要になってくる。

彼がアニメを作るとしたら・・

 とりあえず試しに何か作ってみたら?今すぐに作るとしたら何が要る?

椎田 絵を描く人や声出す人、編集技術

 編集技術は作りながら身につけるとして、声優は何人おればいい?人数少なくても作れるような内容ってどんなのがある?

椎田 3人をメインで映して、日常や冒険を描いて、あとは回ごとに適宜追加していく感じかなぁ。

 具体的にどういう物語にする?

椎田 明確な敵を作って......。

 話が結構まとまってきたやん。

椎田 でも、アニメを作りたいっていうより、声優になりたいって方が強い。

 アニメを制作する裏側で、なぜ声優だけに惹かれたん?

椎田 実際にキャラクターを演じれるから。

 絵を描く人も、そのキャラクターを書いてるやん。

椎田 それは俺からすれば、神の視点やと思ってる。神様が人や動物を生み出す感覚に近くて、それだとなりきることはできないし、声を吹き込むことでなりきって演技することができる。

 なるほど。それほどまでに声優がいいんやな。
ごめんやけど、そろそろ時間やわ......。今日はありがとう。