僕が出逢った十人十色

オフラインで人が繋がるきっかけを作るタキビニスト前原 佑次さんの情熱

#1:タキビニスト前原佑次

(撮影:前田 幸星)

前原 佑次
1983年生まれ。愛知県名古屋市出身。幼い頃に静岡県裾野市に移住。 20代後半に飲食店を複数店経営し、スナックCANDY静岡店(2018年閉店)を経営する。20代に社員として時乃栖に就めた経験からえんとつ町のプペル光る絵本展in時乃栖の運営や、そのイベントに合わせてえんとつ町のプペルとコラボした黒ビール「歓欒譚」の開発など、西野亮廣エンタメ研究所関係の活動にも精力的に取り組む。 現在は、富士宮に在住し、スナック焚き火や、有機農家民宿再生などの様々なプロジェクトに関わっている。

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タキビニスト前原佑次の起源

ケンフィー 焚き火を始めたきっかけって何ですか?

前原さん 昨年の夏に富士宮の有機農家さんの繋がりのBBQに参加したんですが、その中で富士宮の人たちがとても深いコミュニケーションを取っていることに驚きました。焚き火をやった翌日には「焚き火のコミュニティを作りたいです!」って言っていて、今日までずっと焚き火をし続けています。コロナ禍でも、焚き火のコミュニティにいる人たちの繋がりが切れることがなかったのを見てきて、焚き火の魅力を確信しています。その流れで、この場所(minami no uchi)を紹介されて、「ここにも焚き火場がありますよ」って言われたんです。

ケンフィー この場所に引っ越してきた理由って何ですか?

前原さん えんとつ町のプペル光る絵本展 in 時の栖(静岡県御殿場市)のイベントが終わって、御殿場にいる意味が無くなったからです。主催者が富士市在住だったので、時乃栖さんとやりとりしたり、ご近所さんにチラシを配ったりするのを手伝うこともあって、イベントが終わるまでは御殿場にいようと思ってましたが、イベントが終わってから、知り合いの有機農家さんも手伝いたいと思うようになって、この場所に引っ越しました。

ケンフィー なるほど。有機農家さんとの繋がりがあって、この場所に来られたんですね。ここの周辺では、焚き火しても大丈夫なんですか?

前原さん 元々、この場所では、それぞれの家庭ごとに焚き火やっていたりします。俺は、それをオフィシャルにイベントとして開催しようと思っています。知り合いだけじゃなく、まだ会ったことない人にもリーチしたり、一度来た人が別の人を誘ったりして、ここの場所を知ってもらえたらと思っています。

ケンフィー 具体的に、どうやってここの場所を知ってもらおうと考えていますか?

前原さん 実際に、俺はここにいながら、他の所でも焚き火やったりするんですが、いろんな人に会いながらここの魅力を伝えています。ここは宿泊があるから、焚き火してお酒を飲んでも泊まれるところがあるのは強いと思っていて、これだけ自然豊かだから、いろんな人とイベントをしやすいんです。

ケンフィー 確かに、焚き火した後に宿泊できると、ここに来るハードルが下がりますよね。

前原さん そう。ここも以前は民宿だけで、Airbnbに出しているだけだったから、どちらかというと宿泊の人しか来ないって決めていたわけ。だけど、今は料理などのコンテンツをつけて焚き火を開催しています。泊まりに来ないと、ここのことが分からないという感じではなくて、先に別の目的で来てもらうことで、次の機会に身内を連れてきてもらえると思うんですよね。

ケンフィー おもしろいですね。



前原さんが思う焚き火の魅力

ケンフィー 前原さんが思う焚き火の魅力って何ですか?

前原さん 焚き火をやっていると、たまに寝ちゃう人とかいるんですが、それも気にならないんだよね。この火を、ただ見てしゃべるだけで、寝ちゃっても、酔っぱらっちゃっても、途中で帰っちゃっても、イベント自体はずっと進行していくような、みんなが優しい感じが、すごく良いんです。それが魅力だと思っています。

ケンフィー 相手の顔が見えづらいのが、逆にいいのかもしれないですね。

前原さん 実際に焚き火をやっていて、いろんな話が出たり、いろんな活動が芽生えてきたりとかしているんだけど、俺はもともと人を繋ぐのが得意で、こういうことをしたいとか言うと「こういう人いるよ」みたいな感じで人を紹介してあげることができますし、俺が解決できない問題でも他の人が解決してたりするんよ。

ケンフィー 素敵な時間ですね。

前原さん 焚き火には、その人を迎え入れている感じがあるから、すごく心地いいんだよね。みんなで火を見ながら、いろんな活動や、その活動に対する想いとか、そういう話が出てくるのも素敵だし、「こうしていくといいよね」とか、そういう本質的な話ができるのもすごくいい時間だと感じています。

ケンフィー あとは、一切ネガティブなことがないっていうのもいいですよね。

前原さん 本当にない。最近、COVID-19で制限されて、「自分が生きるとは」「どうしていけばいいんだろう?」とか、みんなずっと考えて疲れているんだと思う。でも焚き火だと、基本まず眺めてるだけでいいっていうのと、そこに優しい世界があって、優しい人たちとおしゃべりして、美味しいご飯があって、コーヒーじっくり飲んで・・・とか、そういう時間を過ごすと気分転換できてリフレッシュできるんよね。

ケンフィー 確かに、COVID-19で制限されてストレスを抱えている人が多いのかもしれないです。

前原さん 俺は”足し算”から”引き算”をやりたいわけ。社会が、ずっと”足し算”で成長していたところに、COVID-19が来て、これまで築き上げてきたものを壊してくれて、ますます”引き算”も大事になってきたように感じます。だから焚き火を開催する場所も、どこでもいいわけではなくて、本当にリセットできるようなところにしています。実際に東京からも来るんですが、東京の都心だと焚き火やれないよね。ホテルなど駅前の機能性を追求したところも確かに素晴らしいけど、こういうオフになれるところっていうのもすごい大事な気がしています。

ケンフィー ここまで来るまでに長い道のりもあるので、現実を感じさせない世界が見れるっていうのもいいですよね。

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