僕が出逢った十人十色

オフラインで人が繋がるきっかけを作るタキビニスト前原 佑次さんの情熱

#2:焚き火で問題を解決する

(撮影:前田 幸星)

前原 佑次
1983年生まれ。愛知県名古屋市出身。幼い頃に静岡県裾野市に移住。 20代後半に飲食店を複数店経営し、スナックCANDY静岡店(2018年閉店)を経営する。20代に社員として時乃栖に就めた経験からえんとつ町のプペル光る絵本展in時乃栖の運営や、そのイベントに合わせてえんとつ町のプペルとコラボした黒ビール「歓欒譚」の開発など、西野亮廣エンタメ研究所関係の活動にも精力的に取り組む。 現在は、富士宮に在住し、スナック焚き火や、有機農家民宿再生などの様々なプロジェクトに関わっている。

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お金を媒介しない繋がりの大切さ

前原さん あとは、こういうところで、いろいろな問題を前向きにシェアできるのもいいんですよね。例えば、お子さんが障害を持っている方とか、コミュニケーションが苦手で引きこもっていた方とか、問題をシェアすることで解決の手助けができると思うんですよね。

ケンフィー なるほど。

前原さん そういう方の一番の問題は社会の中で、お金を媒介しない人間関係がひとつもないことだと思うんですよ。それだったら有機農家さんとマッチングするのがいいんじゃないかと提案したりしました。農家さんは収穫時期に困っていることがあるから、社会に溶け込むっていう形で農業に携わってもらうのも大事ですが、それよりもその子には普通に繋がっていられるところがないんだよね。俺らって、当たり前に地元の友達がいて、会社の友達がいて、”西野亮廣エンタメ研究所”というコミュニティの中で立場関係なく集まれる仲間がいるじゃん。でも、この繋がりを持ってない人は持ってないから、そういう子たちを有機農家さんと繋げて、コミュニティを作ってあげようとしています。

ケンフィー その子たちは、お金の心配はありますが、それよりも繋がりを得る方が大事ですもんね。

前原さん そう、お金じゃないんよね。農家さんは困っていいても、人を雇うまではできないけど、一緒にご飯を食べたりはできるから、そういうのをマッチングしてあげれば、家族以外としゃべったことがないという子たちにとっては大事だと思うんですよね。

ケンフィー 本質を見抜いて解決に持っていくところはさすがですね。

前原さん 今は本当にオンライン上で発信すること以上に、人と繋がることがすごく大事だなと思っていて、毎日そういうことを考えてやっていますね。COVID-19で、「とにかく繋がれ」って言われている気がして。

ケンフィー 確かにそうですね。COVID-19の1番のメッセージはそこですもんね。

前原さん そう。人と繋がっていたら本当に毎日楽しいし、実際昨年の緊急事態宣言が出たときには、みんなで桃鉄やってましたね。だけど、病んでしまう人たちって、この繋がりがなくて病んじゃうんと思うんですよね。特に緊急事態宣言下では監視されてる気になって、より一層病んじゃう。

ケンフィー COVID-19で、繋がりの大切さを思い知らされました。

(撮影:前田 幸星)

火という文明の叡智

前原さん 焚き火をしていると、みんな深い話や、本来持っている自分の気持ちとかを正直に話す人が多いんよね。やっぱり火には、心を落ち着かせる効果があるんだなって感じます。俺も帰ってきて中に入らず、外で焚き火して過ごしていることも結構あるんだけど、ちゃんと数値化されてて心が落ち着く作用があるんだよね。

ケンフィー 本当に今焚き火が人気ですもんね。ズーム飲みとかでも、焚き火動画を共有して電気を消すみたいなことも流行りましたが、やっぱり実物の火っていいですよね。

前原さん そう。やっぱり火を発見した時からのDNAが残ってるんだよね。火を得たという、すごい文明を絶やさないために、先人の人たちが必死になっていたからこそ、ずっと先祖の代からこの感覚が残っているんだと思う。だから焚き火をすると、本来の本質に戻るような感覚になれるんよね。俺は焚き火を通じて居場所を作って行こうかなと思っています。

ケンフィー COVID-19で暗いニュースが飛び交う中で、ポジティブになれる居場所があるっていいですね。

前原さん 今までも会社の経営者とかでは、居酒屋で2時間飲み放題付コース5000円で名刺を交換しましょう、みたいなことはあったんですよ。ただ名刺交換してFacebookだけはつながるけど名前と顔が一致しないとかがあって、その人のことを知れていないことに対して、すごくもったいないと思うんです。一方、焚き火で囲むと、ニックネームと顔は絶対ちゃんと覚えていて仲良くなれるんだよね。だから、そういう場を今のうちから作っておきたいと思っています。

ケンフィー 最近、オンラインサロンなどのクローズな場所で交流していくのが、流行ってますもんね。

前原さん それでいうと、俺は逆にオフラインサロンを作りたいんよね。焚き火という、オフラインで繋がれる共通言語があれば、みんなで救えたり、みんなで支えられたりするんじゃないかなと思って。

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